縦走路/2020年9月「交通手段」
「縦走路」なので縦走に少し関係する内容として、交通手段について書いてみます。
個人で山に行く場合、登りと下りで別の風景を楽しみたいので、ピストンではなく縦走や周回できるコースを選んで計画することが多いです。周回ですと元の登山口に戻ってくるので、自分の車やレンタカーを借りるなど、かなり融通が利くのですが、縦走ですと登山口と下山口が異なるので、往復両方とも公共交通機関を使うか、自家用車で登山口まで乗り付けた場合は、下山口から登山口まではタクシーも含めて公共交通機関を利用することになります。振り返るとここ6~7年で、道路事情や公共交通機関の事情が変わってきたと思うので、そのことについていくつか書いていきます。
●道路事情でよくなった点:
高速道路やバイパスの延伸があり、登山口までの時間が短縮されたこと。個人的には年に1回は飯豊方面に足を延ばすので、昨年に東北中央自動車道が高畠まで開通したことが有難いです。
●道路事情で残念な点:
アプローチの林道で閉鎖が相次いだこと。産業上必要がなくなった林道は、自然災害から復旧されるケースは少ないです(ある意味当然ですが)。今後登りたい山で、少しネックになりそうなのが光岳へのアプローチです。林道が崩れて車両通行止め(徒歩は可能)となっているので、時間的な面で少し厄介です。百名山狙いの方ですと、皇海山は短くて易しい群馬県側の登山口に通じる林道が閉鎖されてしまったので、大変かもしれません(栃木県側からだと、コースタイムも長く高低差の大きい鎖場が複数あります)。
●公共交通機関でよくなった点:
北陸新幹線・北海道新幹線延伸したので、帰りの時間に余裕ができた。特に北アルプスから下山するときは、富山発18時の新幹線に乗れば、その日のうちに盛岡に戻れるので、以前より3時間程度余裕ができました。北海道方面も同様で、以前は当日中に盛岡に戻るには、札幌をお昼過ぎに出る特急に乗る必要がありましたが、現在は16時半の特急に乗れば当日中に戻れます(飛行機より札幌に滞在できる時間が長くなった!)。特に羊蹄山あたりに登る場合ですと、帰りの時間はかなり余裕ができたと思います。
●公共交通機関で残念な点:
新幹線の延伸と引き換えに青森-札幌間の夜行列車(急行はまなす)が廃止になった点と、東京から白馬方面に行く臨時列車(ムーンライト信州)が廃止になった点です。どちらも定時で退勤後に自宅でシャワーを浴び、盛岡から新幹線に乗れば乗り継ぎ可能で、料金も安く早朝に到着するのでありがたかったのですが(特にはまなす。大雪山-トムラウシの縦走2回や利尻登山につかったので)。
おおざっぱにまとめると、車での移動は楽になった。公共交通機関を使う場合、行きは制約が多くなったが、帰りは時間的な余裕が増えた、と考えます。
No.495 朝日亮介