縦走路/2020年3月「祝入会20周年」

 皆さん、どんな時に生きている!って感じしますか。人によっていろいろな場面があるかと思います。 いや、人生でそんなことないよ、っていう方もいるかもしれません。私もどちらかというと暗い人生を送ってきたように思いますが、自分が生きている!って感じる時があるんです。それは誰のトレースもない真っ白な雪原を先頭になってスキーラッセルしている時です。天気が良くダイヤモンドダストがきらめいたり、青空に白い霧氷があったりすればなおさらです。懸命に汗をかきながら雪原に新たなトレースをつくっていくとき、生きている!って感じがします。そう、それは三ツ石小屋を探して進むときだったり、 黒谷地を目指し、さらに源太森に向かう登りだったり、いろんな場面でそうして歩いてきました。
 去年の7月で入会20周年になりました。お陰様で多くの方々にご指導いただいて、たくさんの楽しい 思い出をつくることができました。そのなかでも入会3年目からグループ銀世界で活動できたことはラッ キーでした。厳しくも素晴らしい雪山の魅力を経験し、人生に彩りを与えていただきました。
 先日久しぶりに秋田八幡平からの樹氷ツアーで先頭を歩きました。山頂をようやく見つけ、そこから陵雲荘に向かいました。天候があまり良くない中歩いていたら、先頭の自分のスキーがあれよあれよと滑り出し、ガマ沼のヘリに落ちてしまいました。CLは助けに来てくれませんでしたが幸い無事でした。2005年の秋田駒以来の2 度目の先頭SL消失事件でした。この件で感じたのが、コンパスの方向性の甘さでした。最近はスマホGPSにばっかり頼っていました。過去にはコンパスの角度を十分に吟味しないばかりに思わぬ谷方向に行ったりしたことが何度かあったことを思い出しました。今回の山行ではコース取りが微妙にスライスしました。心に油断があったか、それとも加齢のせいか。
 人間生きていればいろんなことがあります。それが修行です。人生は生きていることが修行なそうです。10年前の山友に「祝入会10周年」と題して寄稿したときに「謙のみ福を受く」という言葉を書き添えましたが、この10年間謙虚に生きてきたのか。残り少ない人生、生きている!と感じられるよう、そして謙虚に生きていければと思います。多分私の祝入会30周年はないと思いますが、私を育ててくれた盛岡山友会がなくならないことを心から祈ります。

№234 古川 孝

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